幹部から職場のリーダーへ、ベクトルの統一。
日本航空を再生させるために時の政府から派遣されてきた稲盛会長のフィロソフィーに、当初は違和感を覚えていた日本航空の幹部たちも次第に理解を深めていきました。多くの幹部が「人間として、リーダーとして、経営者として如何にあるべきかという考え方を、もっと早く知ってさえいれば、日本航空は倒産することにはならなかったし、自分自身の人生も変わっていたに違いない。その素晴らしい考え方を部下にも伝えたい」と考えるようになっていきます。そんな幹部の感想を伝え聞いた各職場のリーダーたちからも要望があり約3千人が受講することになりました。その結果、共通の価値観と判断基準をもって仕事に当たることが必要だと考え、徹底した議論を行いました。そして「JALフィロソフィー」としてまとめ、手帳にして持つようになったのです。こうした活動を通じて社員一人一人の意識は徐々に変わっていきました。